スーパーだと年中販売しているイメージの強い山芋、細かく刻んだりすりおろしたりして料理に使う方が多いのではないでしょうか?
季節に左右されず安定した価格で売っている山芋は、家計の強い味方といえる野菜です。
安くて美味しい山芋ですが、食べたり調理している時、手や唇・口の中にかゆみが起こるのが欠点ですよね…
山芋を調理する前に、かゆみが起きる原因はアレルギーなのか、またかゆみの治し方や防ぎ方も知っておきましょう。
山芋で手や唇、口の中にかゆみが起こる理由!
調理中に山芋の皮を剥いた時、また食事中に調理した山芋が唇や口の中に触れた時、かゆみが起こる方は多いと思います。
山芋でかゆみが起こる原因は”シュウ酸カルシウム”で、この成分は針のような尖った形状をしていて「針状結晶」とも呼ばれています。
山芋(とくに山芋の皮)はシュウ酸カルシウムが無数についており、尖った部分と肌の摩擦によって起こる刺激が原因でかゆみが起こります。
そのため、かゆいからと掻きむしるのは逆効果で、摩擦がさらに強まりかゆみが悪化するので気をつけてください。
シュウ酸カルシウムは山芋以外に里芋・長芋などの芋類に多く含まれる他、キウイやパイナップルといった一部のフルーツにも含まれています。
これら食品を食べた時にかゆみが発生した場合、シュウ酸カルシウムが原因の可能性が高いといえるでしょう。
アレルギーでかゆみが起こる可能性もある!
シュウ酸カルシウムが原因で手や唇、口の中にかゆみが起こるのはアレルギーではなく刺激が原因ですが、稀にアレルギーが原因でかゆみが起こる場合もあります。
アレルギーが原因の場合、かゆみと併せて山芋を食べた後数分以内に口の中や舌・喉に違和感を感じたり、むくみが発生します。
山芋が原因で起きるアレルギーは”口腔アレルギー症候群”と呼ばれ、果実や特定の野菜を摂取した際、口腔・咽頭粘膜に過剰反応が起こりアレルギー症状が発生します。
口腔アレルギーは軽度ならかゆみや違和感で済みますが、重症になると血圧低下や呼吸困難、アナフィラキシーショックを引き起こします。
山芋に触れたり食べた時、かゆみ以外の症状が表れた場合、アレルギーの可能性も視野に入れ、念のため専門医を受診しておきましょう。
山芋で起こるかゆみの治し方!事前に防ぐ方法は?
山芋を食べている途中にかゆみが発生すると、せっかくの美味しい料理が台無しですよね。
かゆみの発生を防ぐためシュウ酸カルシウムが原因で起こるかゆみの治し方、防ぎ方についてまとめておきます。
酢に浸す・酢を塗る
シュウ酸カルシウムはアルカリ性なので、酸性の酢を患部に塗ることでアルカリ性を中和し、かゆみを抑えることができます。
手や唇がかゆい場合、患部を水洗いした後に酢を塗り、口の中がかゆい場合はうがいした後に、酢をゆっくり飲むようにしましょう。
また皮を剥いた山芋を調理する前に酢水に浸せばシュウ酸ナトリウムを溶かしてくれるので、かゆみ防止に繋がります。
酢が苦手だったり、すぐに用意できない場合、レモン汁や塩でも酢と同じ効果を得られます。
色々試してみて、最も効果がある食品でかゆみ対策をしましょう。
温める・加熱調理する
シュウ酸カルシウムは熱に弱い性質をしているため、かゆみの治し方・防ぎ方として患部を温めたり、加熱調理する方法が有効です。
手がかゆい時は温水で温め、唇や口の中は白湯につけたり飲んだりして、かゆみを抑えましょう。
白湯に酢やレモン汁を垂らして使用すればかゆみを抑える効果が高まるので、一刻も早く治したい時は試してみてください。
ゴム手袋を使って山芋を調理する
かゆみの原因となるシュウ酸カルシウムは山芋の皮に多く含まれるため、唇や口の中より、山芋を調理中に手にかゆみを感じる人の割合が多くなっています。
そのためゴム手袋を装着して山芋を洗ったり皮を剥くようにすれば、肌にシュウ酸カルシウムが触れることはないため、かゆみが起こりにくくなります。
装着して山芋を擦るだけで皮むきができるゴム手袋も販売しているので、手がかゆくなる人が使用すればかゆみ防止と調理時間短縮で一石二鳥ですね!
上記の方法を試してもかゆみが治らない場合は口腔アレルギーの可能性も視野に入れ、専門医に相談しましょう。
山芋といえば食物繊維、ビタミンBが豊富で疲労回復や滋養強壮といった効能が知られていますが、”ジオスゲニン”という成分が大腸ガン予防に効果的と近年は注目されています。
日本では食の欧米化などが原因で大腸ガンになる人が急増しているので、山芋が大腸ガンを防ぐ救世主となるかもしれません。
多くの効能があり栄養も豊富な山芋、かゆみ対策をきちんと行い美味しく食べ続けたいですね!