毎年、花粉症やインフルエンザが流行る季節になると、需要が伸びてくる使い捨てマスク。
花粉症がひどい人やインフルエンザが怖い人は、「マスクを二枚重ねにすると、予防効果が倍増するのでは?」なんて考えるかもしれません。
マスクを二枚重ねにすると、一枚で着用している時より予防効果が高まるのでしょうか?
またインフルエンザや花粉症の予防にマスク着用は有効なのか、その答えもお伝えします。
【結論】マスクの二枚重ねは、一枚無駄に消費するだけ…
マスクを二枚重ねで着用しても効果は倍増しないので、結果的に一枚無駄に消費するだけといえます。
ウィルスや花粉を除去するのは、マスク内で重なっているフィルターの働きによるものですが、フィルターが機能するのは”空気が通れば”の話です。
二枚重ねにするとフィルターに空気が通らないので、花粉やウィルスは取り除けなくなります。
また呼吸をするためにマスクのフィルター以外の場所、横や下の隙間から空気を取り込むことになるのでマスクの意味がなくなります。
マスク1枚だからこそ風邪や花粉予防に効果的だと考え、二枚重ねで使用するのはやめてください。
サージカルマスクの構造を知っておこう
ドラッグストアやコンビニで売られている使い捨てタイプのマスク(サージカルマスク)は、3重構造になっています。
外側から1層・2層・口に直接当たる部分を3層として、各層の役割がこちら。
- 1層目 ⇒ 水を弾く役割を果たす。目の前でくしゃみや咳をされた際、飛沫が口に入るのを防ぎます
- 2層目 ⇒ ウイルスや花粉をガードする役割
- 3層目 ⇒ 通気性を保つ役割
マスクの表裏と上下を間違えずに着用できれば、一般的なウィルスや花粉はより防ぎやすくなるといわれています。
マスクの正しい着用方法
マスクには表裏・上下が存在するので、間違えないようにしてください。
- 表面(外側) ⇒ ゴムひもが付いている方
- 上側 ⇒ 鼻周りをフィットさせる針金が入っている方・プリーツ(折り目)が下向きになる方
※表裏・上下がパッケージに記載されている場合もあります
マスクを選ぶ際は鼻から顎まで、顔全体の3/4を覆えるサイズのものにしてください。
マスクから鼻を出したり顎にマスクを乗せていると、つけている意味がほとんどないので、マスクは必ず鼻と顎を隠して着用しましょう。
またマスクは何日も使い続けず、1日1枚ずつ消費していくのが衛生上大切です。
マスクのフィルター部分にはたくさんのウイルスや花粉が付着しているので、取る時はゴムひもの部分を持つようにして、フィルター部分に触れないよう注意してくださいね。
マスクはインフルエンザの予防に効果的?
マスクを着けるとインフルエンザの原因とされる冷たく乾燥した空気を吸い込みにくくなるので、一応は対策になります。
ただマスクを着けたからといって、インフルエンザを100%防ぐことは不可能です。
そもそもマスクは予防ではなく、すでにインフルエンザにかかった人が他人へ感染させるのを防ぐために用いられるアイテムです。
実際「マスクは病気予防に効果的なのか?」について検証したところ、ほとんど意味がないという実験データも出ています。
咳・くしゃみがよく出るのならマスクは必須ですが、症状がなければ焦って身につける必要性は低いのです。
マスクは新型コロナウイルスの予防にもならない?
インフルエンザ以外に、現在世界中で感染が報告されている新型コロナウイルスも、マスクで確実に予防できるとはいえません。
厚生労働省やWHO(世界保健機関)からも、マスクで新型コロナウイルスの感染を防ぐことはできないと発表されています。
またCDC(アメリカ疾病対策センター)でも、「症状のない人がマスクのマスク着用は推奨しない」と発表しています。
ただ、マスクをすることで、
- 予防意識が高まり、精神的な安心が得られる
- 咳やくしゃみによる飛沫を防げるので、もし自分が新型コロナウイルスに感染していた場合、他人へ移しにくくなる
といったメリットはあるので、躍起になってする必要はないものの”するorしない”でいえば、する方がマシとはいえるかもしれません。
マスクは花粉症の予防に効果的?
インフルエンザや新型コロナ同様、マスク着用で100%花粉を防げるわけではありません。
ただマスクを装着している方が体内に侵入する花粉の数を減らせるのは確かなので、着用する意味はあります。
花粉は風が弱い日ならマスクで防げる数も多いのですが、風が強い日は空気中に漂う花粉の数も増えるため、よりたくさんの花粉がマスクの隙間を縫って侵入しやすくなります。
あくまでマスクは、インフルエンザや花粉症対策の2番手的な位置づけで考えておきましょう。
基本的には十分な睡眠と栄養バランスのとれた食事を心がけ、免疫力を高めることで花粉やウイルスに負けない体を作るようにしてくださいね。