陸上やサッカーなど、スポーツ選手に多いイメージがある疲労骨折ですが、実は普段の生活の中でも起こり得る身近な症状です。

疲労骨折に気付かず運動を続けていると、症状が悪化して骨折にまで発展する危険があります。

少しでも早い段階で疲労骨折に気づくためには、症状や痛みの方の特徴を知っておくことが大切です。

また疲労骨折が起きやすい場所や、完治までにかかる期間についても気になるので調べました。

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疲労骨折はなぜ起きる?

疲労骨折とは、骨の一定箇所に弱い力が繰り返し加わることで、骨にひびが入ってしまう骨折のことをいいます。

骨に小さなひびが入る程度であれば自然に治りますが、同じ個所に自然回復力を超える負担がかかることで、治りが遅くなって疲労骨折を引き起こします。

 

疲労骨折のほとんどはスポーツのやりすぎが原因で、陸上・サッカー・野球といったあらゆるスポーツで発生する可能性があります。

スポーツで疲労骨折が起きる主な原因は、

  • 自分のレベル以上の過度のトレーニングをする
  • 短時間にハードなトレーニングを行う
  • 運動をするグラウンドが堅すぎる、柔らかすぎる
  • カルシウム不足

などです。

小学生~高齢者まで幅広い年齢の人に起こる症状ですが、筋力不足や筋力と骨強度のバランスがとれていない10代の育ち盛りの子は特に疲労骨折が起こりやすいです。

 

スポーツ以外でも疲労骨折になる!

体の一定箇所に繰り返し弱い力が加わるような状況が続けば、スポーツ以外でも疲労骨折になることがあります。

私は風邪を引いた時、咳のしすぎで肋骨が割れるように痛くなり、会話をするだけでも激しい痛みに襲われたので病院へ行きました。

すると、診断の結果「肋骨の疲労骨折」と言われました。

 

おそらく激しい咳が原因で繰り返し肋骨に力が加えられたため、骨にひびが入ってしまったのでしょう。

咳やくしゃみによる疲労骨折は、骨組織そのものが弱い状態である”骨粗しょう症”を発症している人に起こりやすいようですね。

 

他にも、

  • 長時間座り続ける
  • 引っ越しの荷物運びなど、同じ動きを長時間続ける

といったように繰り返し・長時間同じ動作をした時、疲労骨折になる可能性があります。

適度な休憩、違う動作を行うなどして、同じところに力をかけすぎないようにすれば日常生活で起きる疲労骨折は予防できるはずです。

 

疲労骨折の症状は?

疲労骨折は、強打が原因で強い痛みを感じる外傷性骨折とは違います。

疲労骨折の症状や痛み方として多いのは、

  • それほど強く痛みは感じない
  • 痛みを感じる場所を押すと少し痛みがあり、腫れたりしている
  • 運動し始めは痛みが強いが、しばらく経つと痛みはなくなる。しかし、運動後にまた痛みが強くなる

といったもので、通常の骨折に比べて分かりづらい症状なのが疲労骨折の特徴です。

 

疲労骨折の痛みは我慢できる程度の場合が多く、筋肉痛や関節痛と勘違いして気がつかない人も多いのだとか。

そのため、気づかないうちに痛みが引いて骨のひびが治ることもあるようです。

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疲労骨折しやすい場所は?

体の中で最も疲労骨折しやすい場所は足です。

足は体全体を支えているため骨に負担がかかりやすく、重い荷物を持った時や走った時にも大きな負担がかかります。

足の骨の中でも、特に以下の3か所は衝撃が伝わりやすいため疲労骨折しやすいです。

第2中足骨

足の人差し指の付け根方向にある、足の甲の内側から2番目にある骨。

足で起こる疲労骨折全体の約35%を占める。

マラソンやジョギング、裸足で行う剣道などのスポーツで発生することが多い。

脛骨(けいこつ)

“弁慶の泣き所”とも呼ばれている、足のすねの骨。

脛骨の疲労骨折は全体の約25%を占める。

陸上競技を行う人、特に走り高跳び・長距離・ハードルの選手に多い。

腓骨(ひこつ)

脛骨の外側にある細い骨で、疲労骨折全体の約10%を占める。

脛骨と同じく陸上競技を行う人に多く、長距離やうさぎ跳びが原因で起こります。

 

足の疲労骨折は陸上競技に多いですが、腕を使う野球やゴルフといったスポーツでは、足の骨以外に肋骨も疲労骨折しやすいです。

 

疲労骨折の治療法

病院で疲労骨折と診断されても、ギブスで骨を固定するなど日常生活が制限されることはありません。

疲労骨折の治療法は、運動をしばらく控えて安静にしておくのみです。

完治までにかかる期間は早くて2~3週間程、遅くても2ヶ月も経てば完治します。

 

痛みが弱いからといって疲労骨折中も運動を続けると、最悪、骨にひびが入っている部分が完全に骨折してギブスや手術が必要になる場合もあります。

お医者さんの指示に従い、運動を控えるように言われた期間は絶対に安静にしておくようにしましょう。

 

 

スポーツ中、いつもとは違う体の痛みや骨付近に違和感があった場合は疲労骨折の疑いがあります。

痛みを我慢してスポーツを続けると、完治までの期間が伸びるだけでなく骨折まで症状が悪化して、手術が必要になるかもしれません。

痛みや違和感がなかなか改善しない場合は整形外科を受診し、骨の状態を診てもらうようにしましょう。

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