大切にしている合皮(フェイクレザー)製品が劣化し、ボロボロになり剥がれてしまうとショックですよね。
新しいものを購入すれば済む話だと思いつつ、デザインや使い勝手が気に入っているものほど、買い換えは気が引けます。
合皮(フェイクレザー)がボロボロになるのは、寿命による劣化が原因なのでしょうか?それとも他に原因があるのでしょうか?
またボロボロと剥がれてくる部分を修復できるなら、その方法も知っておきたいところです。
合皮(フェイクレザー)とは?
合皮がボロボロになる理由や、劣化部分の修復方法を知る前に…合皮(フェイクレザー)がどんな素材か知っていますか?
合皮(フェイクレザー)とは革に似せて作られた素材で、人工的に生み出されたものです。
早い話、合皮は「本皮の偽物(フェイク品)」といえますが、
- 本革より安く入手できる
- 本革と同じ用途で使用できる
- 最初からある程度柔らかく、本革より使いやすい
といったメリットから、世界中で本革の代用品として幅広い製品に使われています。
合皮(フェイクレザー)は大きく分けて、PU(ポリウレタン樹脂)レザーとPVC(塩化ビニル樹脂)レザーの2種類あります。
PUレザーは本皮そっくりに作られたレザーで伸縮性があり、PVCレザーは汚れに強く表面がツルツルなのが特徴です。
合皮(フェイクレザー)が劣化し、ボロボロになるのは寿命?
合皮(フェイクレザー)がボロボロになり、剥がれる・破れるなどの不具合が生じるのは合皮が寿命を迎えたためです。
どんなに大切に丁寧に使っても合皮には寿命があり、国外の技術が低い国で大量生産されたような製品なら、大切に使っても3年が限度です。
ただ合皮でも国内で生産のされた製品は、最初から劣化しにくいよう加工されているので、値段は張りますが10年近く持ちます。
合皮(フェイクレザー)がボロボロになり剥がれるのは、”加水分解”が原因です。
加水分解とは、空気中に漂う水分が合皮の原料(ポリウレタン樹脂や塩化ビニル樹脂)と接触して化学反応を起こし、分解されてしまう現象をいいます。
空気に触れる以上、加水分解を遅らせることはできても、避けることは不可能です。
普段の手入れによって寿命を数年延ばすことはできますが、合皮製品は”一生モノではない”と覚えておきましょう。
加水分解を遅らせる方法
合皮(フェイクレザー)の劣化は避けて通れないものの、寿命を伸ばす方法は2つあります。
- 風通しがよく乾燥した場所で保管する
- 水気や汚れを落としてから保管する
合皮はとにかく湿気に弱いので、寿命を延ばしたいならクローゼットやタンスの奥にしまうのは避け、風が通る場所で保管しましょう。
また雨や雪で濡れた時は陰干しして乾かした後、防カビスプレーをかけてメンテナンスを施します。
水気以外に”汚れ”も合皮の寿命が縮む原因になるので、必ず落としてから保管してください。
ちなみに汚れが酷いからと合皮(フェイクレザー)で作られた製品を丸洗いすると、寿命が縮む以外にカビや変形が起こる恐れもあるので絶対NGです。
酷い汚れは軽く濡らした布で拭くか、中性洗剤を薄めたものを布に染み込ませて吹いた後、濡れた布で拭き取るようにしましょう。
ボロボロになった合皮(フェイクレザー)は修復できる?
合皮(フェイクレザー)がボロボロになった場合、一時しのぎの手段にはなりますが修復は可能です。
下のような合皮シートを購入し、ボロボロになった部分に張り合わせれば、見た目の悪さを気にすることなく今まで通り使えるはず。
|
ただ合皮シートを使った修復方法は素人には難しく、下手をすれば修復前より見た目や合皮の状態が悪くなる恐れがあります。
綺麗に・確実に修復して再び使えるようにしたいのなら、皮製品修理を専門で行うプロに任せた方が確実です。
革製品の修理を承っている店舗は日本全国各地にあり、ジャケットやバッグといった小物であれば、ネットで受付して郵送での対応を行っている会社も多いです。
プロに頼めばボロボロの合皮製品も新品同様まで修復してくれますが、状態次第では修復が難しく断られることもあるので注意して下さい。
ちなみに修理費用は合皮(フェイクレザー)の状態により変動すので一概には言えませんが、相場として1万円前後だと考えておけば大きなズレはないでしょう(^^)/
合皮(フェイクレザー)の寿命は3~10年で、ボロボロになるのは加水分解によって劣化するためです。
ボロボロになった合皮(フェイクレザー)製品は修復できますが、あくまで一時しのぎの手段なので、いずれは手の施しようがなくなります。
お気に入り合皮製品の寿命を少しでも延ばしたいなら、保管場所や保管方法に気をつけるのはもちろん、普段から大切に扱うようにしてくださいね。