風味が良いため、どんな料理に加えても存在感があり、さらに健康にも良いといわれている万能食品・ゴマ。
しかし、たくさん食べれば良いものではなく、食べ過ぎると病気の原因になる可能性があります。
健康のために食べているのに病気になってしまうと本末転倒なので、1日に摂取すべきゴマの適量について知っておきたいところ。
また「ゴマは消化されない」なんて話も聞きますが、これって本当なのでしょうか?
ゴマの食べ過ぎで病気になる?
ゴマに含まれる成分”ゴマリグナン”には、
- 老化防止
- 肝機能向上
- 生活習慣病予防
といった健康に良い効果がたくさんありますが、食べ過ぎで病気リスクが増すのも事実です。
ゴマの食べ過ぎが原因となって引き起こされる症状が、肥満や栄養過多です。
肥満
ゴマは一粒一粒が小さいため意外とカロリーを見過ごしがちですが、実は100g当たり599kcalという高カロリー食品です。
さすがに1日100gもゴマを食べる人はいないと思いますが、1/4の量(25g)を食べただけでも約150kcalの摂取。
おにぎり一個分を一瞬にして摂取することになります。
ゴマは色んな料理に合いますし、味も香ばしくて美味しいので、好きな人だと25gなんて一瞬で食べ切りますよね。
しかもゴマは健康に良いと思っている人が多いので、大量摂取に対して抵抗を感じない人もいるはず。
健康のために毎日大量のゴマを食べ続けていると、カロリー超過になるのは容易に想像できます。
肥満は糖尿病や高血圧のリスクを高めますし、最悪の場合、そこから心筋梗塞やガンといった命に係わる病気まで進行する恐れもあります。
栄養過多(栄養の摂り過ぎ)
ゴマは栄養価の高い食べ物ゆえに食べ過ぎと栄養過多の状態となり、下痢や貧血の原因になります。
ゴマに多く含まる栄養素で、過剰摂取になりやすい成分が、
- 脂質
- 食物繊維
- マグネシウム
- カルシウム
の4つ類です。
例えばゴマにはスムーズな排便をサポートする成分である食物繊維と、下剤にも含まれる便に水分を与え柔らかくする成分、マグネシウムがたくさん含まれています。
この二つを同時に過剰摂取すると、腸が活発になりすぎて下痢を引き起こす場合があります。
またカルシウムは鉄分の吸収を鈍くする作用があるため、過剰摂取すると貧血の原因になります。
もちろん一つ目に紹介した肥満も、栄養過多によって引き起こされる症状の一つです。
栄養素は特定の成分のみを過剰摂取せず、多くの栄養素をバランス良く・適量を守って摂取するで健康増進に対して効果を発揮します。
ゴマに限った話ではないですが、栄養豊富な食品も食べ過ぎると逆効果で、病気のリスクを高めることを覚えておきましょう。
1日の適量はどれくらい?
肥満や栄養過多のリスクが少なく、最も健康増進効果が期待できるゴマの適量が1日10~20gです。
大さじ1杯が約10gなので、分かりやすくいえば毎日大さじ1杯のゴマを食べ続けるだけで適量は満たされます。
大さじ1杯なんて、ゴマ塩にしてご飯にかけたり、料理のアクセントとしてサッと最後にふりかけるだけで簡単にクリアできそうですよね!
1日の適量が少なくて済むのは、それだけゴマの栄養価が高い証拠です。
適量を知ると「もっと食べたい!」と思う人もいるかもしれませんが、食べ過ぎると病気のリスクが増すので我慢です。
ゴマ以外の食品でゴマによる空腹を満たすようして、栄養バランスを整えていきましょう。
ゴマは消化されないってホント?
収穫されたばかりのゴマは、難消化のセルロースに覆われているため消化されにくいです。
食用として使われる”いりごま”は炒ることで表面のセルロースが分解されるため、収穫時より消化されやすくはなるものの、消化効率が良いとはまだいえません。
ゴマに含まれる栄養素を体内で効率良く消化・吸収するには、いりごまにひと手間加え、”すりごま”の状態にする必要があります。
”すりごま”は、いりごまに比べ表面積が大きいので、消化液に触れる部分が増え、消化・吸収効率が良くなります。
いりごまの状態でよく噛んで食べても、ごまが咀嚼ですりつぶされるので、すりごまの吸収率に近づけることができますが…
どうせゴマを使うなら、食べる前にすりつぶして吸収率も風味も高めておきたいところ。
あえて消化されないすりごまの状態で食べる必要はないですよね!
「いりごまのまま食べたい!」なんて特別なこだわりがない限り、ゴマはすってから使うことをおすすめします。
ゴマは栄養価が非常に高いので適量を守り食べ続けることで、健康増進をがっちりサポートしてくれます。
少し手間がかかりますが、食べる際はゴマに含まれる栄養をちゃんと吸収できるよう、すりつぶしてから使うようにしましょう。
ゴマの食べ過ぎが直接病気に結びつくわけではないですが、長い目で見ると重篤な病気の引き金になる恐れがあります。
将来苦しまないためにも、危険因子は早い段階で潰しておきましょうね!