子どもからお年寄りまで、みんな大好きなアイスクリームですが賞味期限の記載がないのは知っていますか?
食品であれば普通は賞味期限が記載されるはずなのに、なぜかアイスクリームには期限が記載されていません…
冷凍保存なので長持ちするのは分かりますが、ほぼ永久に美味しく食べられるものなのでしょうか?
また、長期保存したアイスクリームを食べる際の注意点についてもお伝えします!
アイスクリームに賞味期限がない理由は?
そもそも賞味期限の定義は、
劣化が比較的遅い食料品を包装状態のまま所定の環境においた状態で、製造者が安全性や味・風味等のすべての品質が維持されると保証する期限を示す日時
とされています。
簡単に言えば、“劣化しにくい食品の安全性と味が保たれる期間で最長の期限”が賞味期限というわけです。
いくら劣化しにくい食品だとしても、一定の期間が過ぎると味の劣化や食あたりの危険性が出てきます。
そのため、数カ月~数年先に賞味期限を設定して美味しく安全に食べられる期限を明確にしているのです。
もし、安全性と味が半永久的に保たれる保証があれば賞味期限は必要ないといえます。
アイスクリームは冷凍されている間は菌が増殖しないですし、化学的品質変化も起こりにくい状態といえます。
冷凍されている場合に限り半永久的に安全性が保たれるので、賞味期限の記載がないのです。
賞味期限って記載しなくても大丈夫なの?
食品である限り、賞味期限は記載すべきだと思う人もいるかもしれません。
しかし、アイスクリームの賞味期限については、国で省略してもよいと定められています。
消費者庁が定める「加工食品品質表示基準」には、
品質の変化が極めて少ない食品は、賞味期限や保存方法を省略してもよい
という記載があります。
アイスクリームは品質の変化が極めて少ない食品に該当するので、賞味期限を省略してもよいのです。
ちなみに、アイスクリーム以外にも賞味期限を省略できる食品はいくつかあります。
たとえば、ガムや砂糖なんかも賞味期限の記載を省略できるので、調べると賞味期限の記載はないはずです。
保存後、食べると危険なのはアイスクリームがどんな状態の時?
アイスクリームも食品なので、冷凍庫の温度が高かったりムラがあったすると多少は劣化します。
保存後のアイスクリームを食べる際、以下のような状態の場合は食べない方がいいかもしれません。
- アイスに大量の霜がついている
- 蜜ダレをしている
- 見た目、食感のみずみずしさ、滑らかさがない
- 食感が粉っぽい
- 食べかけの状態
これらはアイスクリームが溶けてから再度凍る“再凍結”と呼ばれる現象が起きたときに見られる状態です。
市販のカップアイスクリームは美味しく食べられるよう、フローズンの様に空気を含ませつつ混ぜながら凍らせています。
そのため、溶けたアイスが再び凍ると、本来の風味や食感が損なわれるのでまずいと感じる場合があります。
また、冷凍庫のドアの開閉頻度が多かったり冷凍庫に物を入れ過ぎたりすると、アイスクリームの冷凍保存に必要な温度が保たれないことがあります。
もし、冷凍庫の温度が-15℃を上回ると菌の繁殖を抑える効果が弱まり、繁殖が始まります。
特に食べかけのアイスクリームは口内細菌が付着している可能性が高いので、未開封のものより菌の数が多くなります。
アイスクリームはなるべく一度で食べ切れるサイズのものを購入し、早めに食べるようにしましょう。
アイスクリームの正しい保存方法について
購入後のアイスクリームを美味しい状態で食べるには、適切な温度・環境で保存することが大切です。
何も考えず冷凍庫に突っ込みがちなアイスクリームですが、以下の点に気をつければ風味・食感の劣化を防ぎ、いつでも美味しく食べることができます!
冷凍庫の温度は-18℃以下に保つ
-15℃を上回ると菌の繁殖を抑える効果が弱まるとお伝えしましたが、これはアイスの風味が落ち始める温度でもあります。
より長期で保存する場合は-25℃以上が理想ですが、数カ月ほど保存する場合は-18℃以下を目安に冷凍庫の温度を保つようにしましょう。
スーパーやコンビニの冷凍庫も-18℃以下を保つように管理されているようです。
また、冷凍庫内の温度上昇を防ぐため、冷凍庫から物を取り出す時は素早く行いましょうね。
アイスクリームをポリ袋に入れておく
購入したアイスをそのまま冷凍庫に入れると、空気に触れて乾燥しやすくなり風味が落ちる場合があります。
また、冷凍保存中の肉や魚などの近くにアイスを入れるとニオイ移りするかもしれません。
乾燥やニオイ移りを防ぐため、ポリ袋などに入れて密封した状態で保存しましょう。
アイスクリームに賞味期限がない理由は、
- 冷凍保存することで長期間味や安全性が保たれるため
- 消費者庁の定めで賞味期限を省略してもよい食品とされているため
ということが分かりました。
ただ、アイスクリームは一度溶けると美味しさが半減しますし、食べない方が良い状態もあるので気をつけましょう。
いくら賞味期限がないといえども、早く食べるに越したことはありません。
保存したことすら忘れるほど放置せず、なるべく早い段階で食べ切ってくださいね!