牛乳って賞味期限が短いですよね。
気が付くと賞味期限切れになっているので、「知らない間に賞味期限切れの牛乳を飲んでいた!」なんて経験がある人も多いのでは?
未開封であれば多少賞味期限を過ぎても問題なさそうですが、飲む時は加熱した方が安全なのでしょうか?
また、牛乳の賞味期限はどの程度守るべきなのか、基準があれば知っておきたいところです。
今回、賞味期限切れ牛乳の飲み方についてまとめました。
牛乳には賞味期限と消費期限がある!
食品に記載されている期限には、“賞味期限”と“消費期限”があることを知っている人は多いと思います。
牛乳の賞味期限、消費期限の目安は以下の通りです。
- 低温殺菌牛乳 消費期限5日程度
- 通常の牛乳 賞味期限8日程度
- ELS製法の牛乳 賞味期限14日程度
- ロングライフ牛乳 賞味期限60日程度
低温殺菌牛乳以外はすべて賞味期限になっていることが分かると思いますが、消費期限と賞味期限では定義が変わります。
さっそく、それぞれについて詳しくお伝えします。
賞味期限
スーパーやコンビニで買ってくる牛乳のほとんどは、賞味期限が表記されていると思います。
賞味期限とは“安全に美味しく飲むことができる最低限の期限”なので、過ぎたからすぐに捨てないとダメなわけではありません。
商品の安全性を守るため、賞味期限はある程度の余裕をもって書かれています。
実際、賞味期限を決める際、メーカーでは1.5倍の日数を目安に試験をしているところが多いようです。
例えば、賞味期限が購入日から8日程の牛乳の場合、4日程であれば賞味期限が過ぎても問題なく飲むことができます。
ただし、これは未開封の場合に限ります。
牛乳の賞味期限が記載されている部分をよく見ると、「開封前」と書かれていると思います。
記載されている賞味期限はあくまで未開封の場合に限ったものなので、開封後は3日以内に飲みきるのが理想です。
消費期限
低温殺菌牛乳の場合、賞味期限ではなく消費期限がパックに書かれていると思います。
消費期限とは、“期限を過ぎたら飲食しない方が良い食品”に記載される期限です。
なぜ、低温殺菌牛乳だけ通常の牛乳と違い消費期限と記載されているのか気になりますよね。
実は、低温殺菌牛乳は通常の牛乳と殺菌方法が変わっています。
通常の牛乳は長時間品質を維持できるよう、搾りたての牛乳に含まれる有害な細菌を確実に死滅させるため130℃の超高温で数秒間殺菌を行います。
一方、低温殺菌牛乳は風味や栄養をなるべく残すため、通常の牛乳を殺菌する時よりも低い温度(65℃程)で30分ほど加熱する殺菌方法が取られています。
殺菌方法に違いはあれど、どちらもきちんと殺菌しているので賞味期限・消費期限内に頂く分には安全が保障されています。
ただ低温殺菌牛乳は通常の牛乳に比べ殺菌の基準が緩いため、期限を過ぎた後に飲むと食中毒などに感染するリスクが高まります。
そのため、より安全性を高めるために賞味期限ではなく消費期限を記載しているのです。
例え未開封であっても、消費期限が記載されている低温殺菌牛乳に限っては期限が1日でも過ぎると捨てた方がいいでしょう。
賞味期限切れの牛乳を飲む!安全か判断する基準は?
賞味期限切れの牛乳を飲もうと決心した時、見た目と味を確認して安全か見極めるようにしましょう。
もし、見た目や味に以下のような異常があれば、牛乳が腐ってきている可能性が高いので飲まない方が賢明です。
見た目
- 分離している
- 黄色っぽくなっている
- 酸っぱいにおいがする
- 加熱すると豆腐のように固まったり分離する
味
- 牛乳にはありえない酸味や苦みがある
- 口当たりがドロドロしている
牛乳は未開封であっても、保存状態により傷むスピードが大きく変わります。
例えば、真夏の車内で長時間牛乳を放置した場合、賞味期限内であってもダメになる可能性は高いです。
また、低温殺菌牛乳は通常の牛乳よりも傷みが早いので、保管場所は特に注意しておいた方がいいでしょう。
もし、コップに入れた時や飲んだ時に上記のような異常を感じた場合、賞味期限内であっても飲まないで捨てることをおすすめします。
加熱して飲むと食中毒リスクは減る?
賞味期限切れの牛乳を飲む際、念のために加熱してから飲もうと考える人は多いのではないでしょうか?
たしかに加熱によって死滅する菌もありますが、死滅しない菌もいるので加熱すれば確実に安全とはいえません。
例えば、黄色ブドウ球菌が生成する「エンテロトキシン」という毒素は、100℃で30分以上加熱しても毒性を失うことはありません。
通常、黄色ブドウ球菌は牛乳が出荷される前の加熱によって死滅しますが、私たちの皮膚や口の中などに住み着いているため、開封後に、
- パック開封の際、中の牛乳に手が触れた
- パックに口を付けて牛乳を飲んだ
といった、ちょっとした拍子に牛乳に入り、増殖する可能性があります。
賞味期限切れの牛乳を飲む際、加熱するに越したことはないが確実に安全とは言えないことも覚えておきましょう。
牛乳による食中毒から身を守るには、適切な場所に保管して賞味期限内(消費期限)に飲み切ることが大切です。
また牛乳の一気飲みは避け、飲む前に見た目やにおい、味を確認する癖をつけるのも食中毒対策としては有効といえます。
我が家は牛乳を頻繁に購入するものの、あまり消費しない家庭なので、賞味期限切れになりがちです。
私は賞味期限を無視することが多く、見た目やにおいで判断して賞味期限後1週間くらいは料理に使ったりしています。
今のところお腹が痛くなったことはありませんが、あくまでも自己責任なので、今回紹介した見極め方を参考に、ご自身の目・鼻・舌で安全を判断してくださいね。