みかんを購入すると、皮に白い粉のようなものがついているのを発見したことはありませんか?
得体の知れない白い粉をみると、「これってカビ?農薬?」と心配になり、食べるのを戸惑ってしまうかもしれません。
また白い粉がついたみかんの皮を洗った後、お風呂やジャムに使用してよいものかも気になりますよね。
今回、みかんの皮についた白い粉の正体や安全性についてお伝えします。
みかんの皮に白い粉!正体は?
たまに白い粉がついたみかんの皮を見かけますが、正体は農薬でもカビでもなく”カルシウム”です。
カルシウムのついたみかんの皮に触れても、万が一皮を口にしてしまっても、人体に悪影響はないので安心してください。
みかんは果実が成長する過程で実の中に糖分や旨味成分が凝縮されていくと、皮に白い粉(カルシウム)が付着する場合があります。
つまり、みかんの皮についている白い粉は、糖分やうまみ成分が凝縮されている”美味しさの証”ともいえるのです。
白い粉の正体は農薬の可能性も…
果物の殺菌・殺虫を目的として、石灰硫黄合剤と呼ばれる農薬を散布している農家から出荷されたみかんにも、白い粉が付着する可能性があります。
石灰硫黄合剤の主な成分は名前のとおり”硫黄”と”石灰”で、これらの成分は昔から農家で使用されているため安全性は高いとされています。
みかんの皮についた白い粉(石灰硫黄合剤)が手に付着し、ほんの少し体内に入った程度では悪影響は一切ないので安心してください。
商品として販売されるみかんは100%の安全性を確認した上で出荷されるので、白い粉が皮に付着していても心配する必要はありません。
白い粉は水洗いですぐ落ちるので、それよりも見た目や味、ニオイに注意して食べても安全か判断するようにしましょう。
カビが生えたみかんも白くなる!
みかんの皮についた白い粉がカルシウムか農薬かは見た目で判断しづらいですが、カビの場合はみかんの皮に深くこびりつき、水洗いで取れないので一目瞭然で分かります。
広範囲にわたりみかんの皮が白く変色し、白い部分が粉っぽくない場合、一度水洗いして取れるかどうか確かめてみましょう。
カビは出荷時や運送時に果実に傷がつき潰れてしまい、果汁が表面に出て皮を湿らせることで発生します。
1個にカビが生えると周りのみかんにもうつるので、カビが確認できた場合、早急に処分してカビの浸食を防ぎましょう。
白い粉付きみかんの皮、ジャムや風呂で使える?
カビでない限り、みかんの皮に付着している白い粉は体に害がある成分ではないので、ジャムやお風呂で使用できます。
みかんの皮を使ったジャムのレシピと、お風呂での使い方を紹介しておきます。
みかんの皮ジャム【レシピ】
材料
- みかんの皮:250g(約10個分)
- 白砂糖:150g
- 水:300cc
- レモン果汁:お好みで
作り方
- みかんの皮を水洗いし、皮の後ろの白い部分を極力取り除いて細かくみじん切にする
- 鍋に水と切り刻んだみかんの皮を入れて煮込んだ後、圧力鍋で3分加圧する
- 鍋に砂糖を入れ、ベラでみかんの皮を潰しつグツグツ煮込む
- とろみが出たら、レモン果汁を加えて完成
みかんの皮ジャムはトーストに塗るのはもちろん、そのまま食べても美味しく頂けます。
保存する場合、煮沸消毒したビンに出来立て熱々のジャムを入れて蓋をすれば、風通しの良い冷暗所で保管した場合、開封後3ヶ月はもちます。
3ヶ月以上保存したい場合、煮沸消毒したタッパーにジャムを入れ、冷めてから冷凍保存しておきましょう。
お風呂での使い方
- みかんの皮を重曹や塩で揉み洗いする
- 皮を数センチほどの大きさにちぎり、皮に残った水分をキッチンペーパーなどでしっかり拭き取る
- 水気が抜けた皮を新聞紙の上に重ならないよう並べ、1週間ほど天日干しする
- カサカサになったみかんの皮を、ネットに入れて入浴剤代わりに使用する
みかんの皮は”陳皮”という漢方としても使われるので、お風呂に入れて使うと体の芯からポカポカ温まります。
水洗いしたみかんの皮をお風呂に浮かべただけでも効果は得られますが、より効果を高めるために乾燥後の使用をおすすめします。
みかんの皮を風呂に入れて使用する場合、使用期限は当日中です。
一度使うと効果が弱まるので何日も続けて使用したり、乾燥させて再利用しようとせずに処分してください。
また1週間ほど天日干ししたみかんをすぐに使う予定がない場合、湿気を防ぐため密封できる容器にいれて保存するようにしましょう。
みかんの皮はジャムにして食べたり、お風呂で入浴剤として使う以外にも、
- レンジや鍋の臭い取り
- 油汚れ落とし
- フローリングのツヤ出し
など、様々な使い道が存在します。
普通なら食べた後に捨ててしまうみかんの皮も、食べる前に使い道を決めておき、捨てずに利用すると一石二鳥かもしれませんね。