外は毎日のように雨、室内はベタベタして過ごしにくいという、なんとも不快な梅雨の時期。
梅雨入りすると毎年決まって体調不良になる人も多いと思いますが、これにはちゃんとした理由があります。
また、体がだるくなり、やる気が失せる梅雨特有の体調不良の対策には、食事や生活習慣の改善が有効です。
今回、梅雨の時期に体調不良が起きやすくなる原因と、体調不良を防ぐ対策として、おすすめの食べ物や生活習慣をお伝えします。
梅雨の時期は体調不良になりやすい?
一年の中で最も過ごしにくいと言っても過言ではない梅雨の時期、たとえ理由がなくても体調不良になりそうですよね。
梅雨の時期に体調不良が多くなるのは本当ですが、それにはちゃんとした理由があるので紹介していきます。
環境の急激な変化で自律神経が乱れる
一年の中でも特に過ごしやすい気温である4・5月から、6月になり梅雨入りすると環境がガラリと変わりますよね。
暖かい気候に慣れていたのに、いきなり気温や湿度差の激しい時期を迎えると体が変化に対応できません。
そうなると、内臓の動きや血液の循環など、体のあらゆる機能を調整している自律神経が乱れやすくなります。
通常、自律神経は気圧や気温・天気の変化などを察知して体が環境に対応できるよう調整していますが、梅雨時期は天候の変化や気温差が激しいため自律神経にかかる負担が大きくなります。
その結果、自律神経が働き過ぎで疲れてしまい、体の機能の調整がうまくできずに体調不良を引き起こしてしまうのです。
新陳代謝の低下
梅雨時期は多湿のため、体内に水分が溜まりやすくなります。
体に必要以上の水分が溜まると体温が低下して血行が悪くなり、新陳代謝が低下する原因になります。
新陳代謝が低下すると体内の老廃物をうまく処理できなくなるため、疲れが溜まりやすくなったり、ちょっとした風邪を引いただけでも治りにくくなります。
梅雨時期の体調不良、原因となる病気は?
体が健康な状態を保つために大切な、自律神経と新陳代謝の働きが低下する梅雨の時期は、この時期特有の病気を引き起こすこともあります。
気象病
別名“お天気病”とも呼ばれる気象病は気温や気圧・湿度などの激しい変化により、過度なストレスが体にかかり自律神経が乱れることで起こります。
気象病の症状は人によって様々ですが、多いのは頭痛や肩こり、古傷の痛みや関節の痛みで稀にめまいや耳鳴りなどを感じる人もいるようです。
また、症状がひどくなると狭心症や気管支喘息を引き起こしたり、自律神経が乱れるため精神状態が不安定になることもあります。
「雨の日は手術の傷が疼く」なんて言いますが、これも気象病の症状と言えます。
私は以前、車の事故でむち打ちになったことがあるのですが、梅雨時期になるとその痛みが再発することがあります。
おそらく、この症状も気象病の一種でしょうね。
湿邪(しつじゃ)
“湿邪”なんて言葉、聞きたことない人の方が多いと思いますが、湿度の高い場所に長い時間いたり、全身雨に濡れた状態が続くことでかかる病気です。
湿邪の主な症状は、
- 下痢や便秘、消化不良
- 膀胱炎
- 身体が重くなる
- 口臭や口内炎などの皮膚病の悪化
- めまいや耳鳴り
- 関節痛
などがあります。
湿度の高いところに長時間いると発汗が正常に行われず、体から水分を排出できなくなります。
その結果、身体に余分な水分が溜まり、身体が重くなったり関節痛を起こしたりしやすくなります。
また、必要以上の水分は体の機能に負担をかけるため、消化器官に影響を及ぼすと便秘や下痢、胃腸の消化不良を引き起こします。
食中毒
梅雨の時期にかかりやすい病気で誰もが知っているのは“食中毒”ではないでしょうか?
温度や湿度の高い梅雨時期は細菌が繁殖するには絶好の環境です。
毎年、何らかの細菌が流行してニュースで報道されることが多い食中毒ですが、命に係わることもある恐ろしい病気です。
食中毒の主な症状は、腹痛や下痢、吐き気・嘔吐・発熱などがあります。
もし食中毒の症状がみられた場合、直近で食べた物を思い出してみましょう。
特に生ものを食べた後の腹痛や下痢は食中毒の可能性が高く、生肉や生卵、鮮魚を使った料理などは要注意です。
また、食中毒の原因菌はスポンジや布巾、シンクやまな板などでも繁殖するので、梅雨時期は特に生ものやキッチン用品の取り扱いに注意してくださいね。
梅雨の体調不良対策として有効な食べ物一覧!
気候の影響で疲れが溜まりやすい梅雨の時期は、体調不良から食欲不振になる日も多いです。
ただ、何も食べないのはさらに体調を崩す原因になりかねないので、消化が良く、尚且つ栄養価の高い食べ物を食べることをおすすめします。
梅雨の時期の体調不良対策として特に摂取してほしい栄養成分と、対象成分を多く含む食べ物をまとめていきます。
ビタミンB群
ビタミンB群は、体内の疲労物質の分解の手助けや免疫、代謝機能の改善など、体調不良の対策としては超優秀な栄養成分です。
ビタミンB群を多く含む食べ物
- 野菜類(ほうれん草、枝豆、菜の花 等)
- 肉類(豚・牛・鶏レバー 等)
- 魚介類(マグロ、カツオ、うなぎ 等)
- ナッツ類(アーモンド、ピーナッツ 等)
- 卵
- 納豆
- 牛乳
カルシウム
カルシウムはイライラを抑え、ストレスを緩和する効果が期待できます。
自律神経が乱れる主な原因はストレスなので、梅雨の時期は特にカルシウムの摂取をおすすめします。
カルシウムを多く含む食べ物
- 牛乳、チーズなどの乳製品
- 野菜類(大根、小松菜、モロヘイヤ 等)
- 魚介類(ししゃも、いわし、あじ 等)
カリウム
ジメジメした梅雨の時期は嫌な汗を大量にかくことが多いですよね。
汗をかくと体内からカリウムが失われ、夏バテなどの体調不良を引き起こす原因になります。
また、カリウムは食欲不振の解消にも効果があるので、食欲がなくなる梅雨の時期に優先して摂取したい栄養成分です。
カリウムを多く含む食べ物
- 野菜類(パセリ、しその葉、ほうれん草、さといも 等)
- 果物(メロン、アボガド、干し柿、バナナ 等)
これら栄養成分の摂取は梅雨の体調不良対策に有効ですが、特定の成分のみを摂取するのではなく、栄養バランスのとれた食生活を送ることが大切です。
また、内臓の機能が低下しやすい梅雨の時期は消化不良が起きる場合も多いので、良く噛むことを意識して食べてください。
ちなみに、体を冷やす原因になる、冷たい飲み物やスイーツなどの甘い食べ物、生ものなんかも梅雨の時期は控えるようにしましょう。
梅雨時期におすすめの生活習慣
精神的にも肉体的にも辛い梅雨を乗り越えるため、普段の生活の中で意識して行ってほしい生活習慣を紹介したいと思います。
適度な運動
運動をすることで筋肉が刺激され、新陳代謝を高めてくれます。
たとえ雨で外に出られないとしても、家の中でストレッチや腕立て伏せ、スクワットをするだけでも十分効果はあります。
1日の中でリラックスする時間を作る
休息をとって心身ともにリラックスすることで自律神経の乱れを防ぎます。
毎日できるリラックスの方法としては入浴がおすすめです。
面倒だからとシャワーで済ませず、なるべく毎日湯船に浸かり体を温めることで高いリラックス効果を得ることができますよ。
積極的に外出をする
雨が降っていない休みの日は外出することをおすすめします。
日光を浴びると体内時計が整い自律神経の乱れを抑えることができます。
また、夜もぐっすり眠れるようになるため疲れが溜まりにくくなります。
梅雨に入ると、雨ばかりで家の中も湿気でベタベタするため、動くことすら面倒になりがちです。
しかし、家にこもっていると身体がなまって疲れやすくなるので、適度な運動やリラックスタイムを取り入れて体調不良を防ぎましょう。
梅雨のどんよりした気候を変えることはできないですが、食事や生活習慣は意識次第で改善することができます!
梅雨特有の病気を防ぐためにも、梅雨が明けるまでの約1ヶ月は特に意識して、体調を整えるように努めましょうね。